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最終更新日:2025.12.30
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豊岡市地域おこし協力隊松原潤さんに会ってみた― コミナス土居が会ってみた/行ってみた Vol.2 ―

はじめに

今回の「会ってみた」は、豊岡市の地域おこし協力隊として活動されている 松原 潤さん
お話を伺う中で見えてきたのは、経歴の面白さだけではなく、“地域に求められることを誠実に積み重ねる強さ”でした。

まずは松原さんのこと

松原さんは、新潟出身。上京後は小劇場での活動を経て、お笑いの世界でも長く舞台に立ってこられた方です。
コロナ禍をきっかけに働き方や家族の暮らしを見つめ直し、奥さまの地元である豊岡へ移住。現在は協力隊として活動されています。

子育て真っ最中。小学生の双子の育児についても、リアルな言葉が印象的でした。

「一人だとめちゃくちゃ可愛いんです。でも二人になると…余裕がなくなる。めちゃくちゃ叱っちゃう。」

この“生活の手触り”が、後半で語られる仕事観にもつながっていきます。

協力隊の仕事は、暮らしと地続きになる

松原さんが所属するのは、豊岡スマートコミュニティ推進機構(通称TSC)。
複数のプロジェクトに関わる中でも、主に次の3つが軸になっていました。

  • 地域活性化イベント「みんな×エール」の運営・司会など

  • 子育て支援アプリ 「Toyooka iDO(トヨオカ アイドゥ)」 の開発・運用

  • 小学校向け交通安全教室

中でも印象的だったのが、子育て支援アプリの話。
松原さん自身が子育て当事者であることが、仕事への入り方を変えている、と。

「自分が子育てしてるから分かるところがある。仕事とプライベートの境目がない感じですね。」

協力隊ならではの“生活と活動が混ざり合う感覚”は、私自身(コミュニティナースとしての活動)にも共通するところがあり、深くうなずきながら聞いていました。

「都会にないから不便」より、「今ある暮らしがちょうどいい」

豊岡での生活については、意外なほどポジティブ。

「全く不満がない。都会は色々あるけど、自分が活用してたかって言ったら…住んでただけで。」

ただし、雪は別。

「必死に雪かきして車出して、次の日の朝起きたらリセットされてる。なんなのこれって思う。」

雪国あるあるに共感しつつ、地域の暮らしを“良いところも大変なところも含めて”語ってくれる温度感が、記事の読者にとってもリアルな参考になると思いました。

協力隊になった理由は「思い」より「流れ」だった

協力隊を選んだきっかけも、いわゆる“熱い志望動機”とは少し違います。
移住・仕事・家族のタイミングが重なり、奥さまが調べてくれた協力隊制度を知り、応募へ。

そしてここからが松原さんらしい。

「思いがないから柔軟性がある。こだわりがないから、やってって言われたことに抵抗なく打ち込める。」

この言葉には、軽さではなく、“場に合わせて学び続ける強さ”を感じました。
実際、当初はPCも持っていなかったのに、今ではアプリの運用まで担っている。

それでも「霧の中」にいる感覚は、消えない

一方で、協力隊の難しさも率直に語られていました。
イベントは運営できる。でも、その先の「地域課題の解決」につながっているかは、まだ見えきらない。

「ずっと薄めの霧の中にいる感じ。合ってるのかな、みたいな。」

子育て支援アプリについても、「本当に困っている人」をどう支えるかは簡単ではない。

「リアルに困ってる人をどうやったら救えるのかな。誰かを救う仕組みを作りたいけど、まだ途中。」

この“途中の実感”こそ、地域の最前線にいる人の言葉だと思います。

つながるDAYYABUとして、ここを大事にしたい

私自身、コミュニティナースとして活動する中で、同じように感じることがあります。
何かのきっかけ作りにはなっている。でも、孤立の解消など「本丸」にはまだ届ききっていない。

ただ、松原さんとの対話で改めて思ったのは、
試行錯誤の過程を言葉にして残すこと自体が、地域にとっての“前進”になるということです。

「成果が見える活動」だけが価値ではない。
見えにくい課題に向き合う過程を、少しずつでも可視化する。
その積み重ねが、次の誰かのヒントになり、霧の中の視界を少し広げるかもしれない。

Toyooka iDOが目指す「行政×民間」をつなぐ役割

インタビュー後半では、iDOの特徴が語られました。

  • 行政の公式情報(保育園・入園募集など)

  • 民間の情報(イベント・習い事など、市役所が扱いにくい領域)

これらを、子育て当事者の目線で“ひとつにまとめる”こと。

「子育てしている人からしたら、民間だろうが行政だろうが関係ない。」

つながるDAYYABUも同じで、行政区分を超えて生活圏で情報が行き来することが、暮らしの安心につながると感じています。

おわりに

松原さんの言葉の中で、強く残ったのは「感謝」の話でした。

「豊岡の人たちに居場所を作ってもらったと思ってる。こんな純粋に感謝を伝えたいと思ったこと、今までなかった。」

地域で活動することは、誰かを支えるだけではなく、自分も受け入れられ、支えられる体験でもある。
その循環があるからこそ、続いていく活動になるのだと思います。

これからも、豊岡と養父、行政の壁を越えて、情報交換や連携が生まれていくと嬉しいです。
松原さん、貴重なお話をありがとうございました。

今回、豊岡スマートコミュニティ推進機構の活動拠点である B-Room にて、松原さんが配信されているポッドキャスト 「豊岡ガラス張ラジオ」 のゲストとして出演させていただきました。
その様子も「豊岡ガラス張ラジオ」 で検索してご聴取ください。

また同じくB-Roomにて、松原さんへのインタビューを行い、本記事(つながるDAYYABUのレポート)の取材もさせていただきました。

「コミナス土居が会ってみた/行ってみた」シリーズでは、
地域の活動を「人・場所・取り組み」の重なりとして捉え、参加の入口になるようなレポートをお届けしていきます。

この記事を書いたライター 土居 一雄

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