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ショッピングタウンペアに行ってみた― コミナス土居が会ってみた/行ってみた Vol.3 ―
2025年の年末、養父市八鹿町にある ショッピングタウンペア で開催された年末イベント
「Bye! Bye! 2025」に行ってきました。
かつては多くの人でにぎわっていたこのショッピングタウンも、
時代の流れとともに店舗数が減り、
「今もやっているの?」と聞かれることが珍しくない場所になっています。
それでもこの場所には、
「何とかしたい」「このまま終わらせたくない」
そんな思いを持つ人たちが、今も集まり続けていました。
「年末のペアが、静かすぎるのが寂しくて」
イベントを企画した主催者の一人は、取材の中でこう話してくれました。
「年末のペアが、あまりにも静かで寂しく感じたんです。
図書室も年末は閉まるし、“行く場所がない”空気がある。
それなら、少しでも明かりを灯したいなと思って始めました」
「Bye! Bye! 2025」は、派手な集客を目的としたイベントではありません。
出店、ライブ、展示、古本販売など、
それぞれが できることを持ち寄る 形で行われていました。
まずは、
「年末も、ここは開いている」
その事実を形にすることから始まった取り組みでした。
にぎわいは、突然生まれない
イベント期間中、ライブの時間帯には人が集まり、
出店者同士や来場者の間で、自然と会話が生まれていました。
「ライブがあると、やっぱり人は来てくれますね」
「ここで久しぶりに知り合いに会った、って人もいました」
一方で、反省点も率直に語られていました。
「もっと告知できたかもしれない」
「ペアが“まだやっている”って、実はあまり知られていないんです」
この言葉は、今回の取材を通して何度も耳にしました。
「目的がないと来ない場所」になってしまった現実
参加者の一人は、今のペアの状況をこう表現していました。
「今は、ふらっと来る場所じゃなくて、
“目的がある人だけが来る場所”になってしまっている」
大型店の撤退や生活様式の変化によって、
「ついでに立ち寄る」「何となく時間を過ごす」場所は、
地域の中から少しずつ減っています。
だからこそ今回のイベントは、
“買い物”ではなく、“居てもいい時間”をつくる試み
だったように感じました。
社会的処方の視点で見た「Bye! Bye! 2025」
社会的処方が大切にしているのは、
医療や福祉の手前にある つながり や 居場所 です。
このイベントで行われていたのは、
-
誰かが話しかけてくれる
-
何も用事がなくても居られる
-
知っている顔に再会できる
そんな、数値化しにくいけれど、
確実に人の暮らしを支える営みでした。
「大きなことはできないけど、
小さい支え合いを続けることが大事だと思う」
この言葉は、
「社会的処方」という言葉が広まる前から
地域で実践されてきた知恵そのものだと感じます。

「さびれた場所」ではなく、「続いている場所」
ショッピングタウンペアは、
決して“完成された成功事例”ではありません。
むしろ、課題のほうが多く、
簡単な答えもありません。
それでも、
-
まだここで活動が続いていること
-
人が集まり、話し、笑う時間が生まれていること
その事実自体が、
地域の健康を支える大切な土台になっています。
年末の数日間、ペアに灯った明かりは、
「まだ終わっていない」
という静かなメッセージだったのかもしれません。

おわりに
社会的処方は、
特別な制度や新しい仕組みだけで生まれるものではありません。
「寂しい」
「もったいない」
「何とかしたい」
そんな気持ちから始まる行動が、
結果として、人の暮らしを支えています。
「Bye! Bye! 2025」は、
養父市のあちこちで続いている、
そんな小さな実践のひとつでした。

